情報システム部門のブラックホール (from 佐々木俊尚のITジャーナル)

 しかしここ数年、アメリカ型のリストラが徹底的に進められていく中で、その状況が急速に変わってきた。どんな高度な技術、素晴らしいテクノロジであっても、「それが本当にわが社の経営に役に立つのか? どのぐらいの利益をもたらすのか?」というコスト計算が厳しく求められるようになったのである。流行のTCO、ROIというヤツだ。そこで冒頭に紹介したようなやりとりが、IT部門と経営層の間でひんぱんに交わされることになったのである。

企業の究極の目的は何か?(=「現在から将来に渡って利益を上げ続けること」)に立ち戻ってみれば、当たり前のことですよね。ただ、日本の場合は新しいITを導入することがカッコイイ、みたいな風潮があって、それによってどれだけの利益がもたらされたのかの検証が絶対的に不足しているように思います。

ちなみに、この「利益」というものの解釈も、過去においては金銭的な利得(=Profit)だけを示していましたが、「利益を上げ続ける」ということを前提にするならば今後は「企業のもつポテンシャル」も含めて評価する必要があるでしょう。方法としては、例えばROIの評価にバランストスコアカードの考え方を導入するなど、いろいろ考えられます。いずれにせよ、日本も経営的な視点からITを評価する風潮が出てきたのは、日本の企業の競争力を高める上で好ましい傾向だと思います。

このBLOG、Skypeネタを漁っていて発見したのですが、なかなか興味深い。定期的にwatchさせていただこうと思います。