今は亡き"Alchemy"についてふと思ったこと

昨年のBEA Worldにご来場いただいた方で、Adam Bosworth氏(現在はGoogleに所属)がデモした"Alchemy"という構想について憶えている方はいらっしゃいますか?
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/0405/27/epn05.html
この話、Bosworth氏の退社とともに立ち消えになったようなのですが、実はかなり前からアイデアを暖めておられたようです。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/0307/17/epn01.html
で、どんなもんかというと、一言でいえば「Webアプリケーションのオフライン化を、既存のWeb技術の枠内で実現しましょう」という構想なんですねこれが。基本的なアーキテクチャとしてはXHTMLJavaScriptWebサービスを駆使して、Webサーバにつながらない状態でもWebアプリケーションとして使えるようにしましょう、ということらしいです。
私はデモを見ていないのでどの程度まで出来ていたのか定かではありませんが、今にして思えばこれって最近流行の「AJAX」だったのでは、という気がしています。(もしBosworth氏がGoogle Mapsなどに関わっているとすれば、その可能性は高いでしょう。)
AJAXの本質はサーバとの通信を非同期化することにあるのですが、今のところは「Webアプリケーションでいかにリッチなインターフェースを実現するか」というところに注目が集まっているように思います。しかし、かつてAlchemyが目指したように、「ユビキタスWebアプリケーション(=サーバとの接続状態を意識せずに使えるWebアプリケーション)」を実現する基盤技術としてのポテンシャルもありますので、そちら方面での展開にも要注目です。