ABL(Asset Based Lending)

在庫は中小企業を救う(経営者倶楽部)
Asset Based Lendingとは、「企業が保有する在庫や売掛債権を金融機関へ担保提供等をすることで資金調達をする方法」を指します。海外では一般的なファイナンスの手法として用いられているようですが、日本でも2005年10月にこれを可能にする法律が施行されていたのは知りませんでした。

2005年10月に「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例に関する法律」施行され、企業が保有する売掛債権や在庫を登記して担保にできるようになりました。企業が保有する売掛債権や在庫は土地や預金の規模を上回りますが、資金調達への活用はまだまだ進んでいません。これが可能になれば資金調達も容易になりますが、今は、民法の改正だけが行われたような状況なのです。

今のところ市場は立ち上がっていないようですが、ABLの潜在的な市場規模はおよそ80兆円にも達すると言われているそうです。この仕組みがうまく機能するようになれば、中小企業にとっては運転資金の確保が容易になり、金融機関(特に地方銀行)にとってはあらたな融資先の開拓につながるので、双方にとってメリットが大きいと思います。
特に日本では「掛売り」という商慣習があり、しかも売上発生から資金回収までのタイムラグが長いことが多いので、中小企業は常に資金繰りに苦労しているというケースが多いと思います。現状では経営者が個人保証をして融資を受けたり、高金利商工ローンに頼らざるを得ないということがままあると思いますが、そういった問題の解決にもつながるのではないでしょうか。