ソフトウェア開発、定量化の試み

プロジェクトを定量化していますか?:ITpro
エンジニアリングの根幹は定量化することにあると思うのですが、ことソフトウェア開発においてはそれが難しいものです。理由は、ソフトウェアというものが根本的には何らかの「アイデア」を表現したものであり、表現を正規化するルールが無い限り統一的な定量指標を定義することができないためです。
しかしながら、近年のソフトウェア開発は分業が当然であり、その場合開発生産性はコミュニケーション効率と何らかの相関関係があることが期待できます。開発作業におけるコミュニケーションとは、ほぼ「メール」によるものと見做して差し支えないでしょう。すなわち、プロジェクトのメーリングリストの流量を計測することで、生産性に関する何らかの知見が得られるというアイデアは、あながち的外れでないように思います。
1年くらい前からこんなことを妄想していたのですが、こちらでは既にベータ版のソフトウェアが出来ているそうです。
http://www.empirical.jp/research/epm.html
このようなものはオープンソースでこそ真価を発揮できると思います。できれば日本発の世界標準にしたいですね。

Apache3.0はWeb2.0の夢を見るか?

Apache 3.0構想発表 - 抜本的性能向上へ (MYCOMジャーナル)
次期Apacheとなる、Apache3.0の構想が発表されているそうです。
大きなポイントは、非同期I/Oへの対応でしょうか。Java5では既に導入済みですが、アプリケーションサーバのリスナ実装などに適用されて効果をあげているようですので、特にサーバーリソースの効率的利用という観点からは期待できそうです。
背景には、Ajaxの隆盛によって、ここ数年でHTTPの使われ方が変わってきていることがあるのではないかと思います。また、ハードウェア面でもプロセッサのマルチコア化が進んできたため、リソースの割り当てをよりフレキシブルに行う必要がでてきたことも一つの要因でしょうか。

今は高校で「情報」という授業があるそうです。

高等学校学習指導要領によれば、「情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して、情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる」(学習指導要領/評価規準 NICER教育情報ナショナルセンター)のが、普通教科「情報」の目的らしい。

うーん、たかが学校の授業で身につく内容ではない気がしますが・・・而して実体はというと、

情報教育という新しい格差の現実(1)〜玉虫色に輝く情報教育の陰で、なにがはじまっているのか (2006/09/26)
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/imadoki/060926_4th/
情報教育という新しい格差の現実(2)〜情報の授業が退屈と苦行の分化を強いる (2006/10/17)
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/imadoki/061017_5th/
情報教育という新しい格差の現実(3)〜競争原理が「成果」「有利」の視点を生む (2006/10/31)
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/imadoki/061031_6th/
てな感じで、要は「キーボードに慣れる」「Word/Excelの使い方を覚える」ということに終始しているようです。
むしろ、「Google検索の活用法」でも教えたほうが有益な気がしますが。

ジャストシステム、xfyをベースにした財務データ作成・管理製品

価格は、1800万円から(1サーバー/20クライアントライセンスを含む)。

XBRL2.1に準拠した財務データの作成・活用・管理が行えるソリューションだそうですが、高!
いままで、XMLといえばB2Bのデータ交換が主用途でしたが、これからはこういうドキュメント系の用途が増えてくるでしょう。まずはOffice系ドキュメントですかね。
個人的には学術論文系に大きなマーケットがありそうだと思っているのですが。学術論文は基本的にcomposite document(数式と化学式とかを含む文書)ですから、XMLとの相性は良いはず。

巧みな発想の時代

テクノロジの進化が止まったときこそ、卓越した”発想力”がブレイクスルーをもたらすときである、というお話。
ハードウエアの停滞がもたらす「巧みな発想の時代」:ITpro
私もつい最近知ったのですが、例えばVMwareなどのx86仮想化ソフトウェアは、実はi386のプロテクトモード例外を乗っ取ることでハードウェアエミュレーションを実現しているそうです。これは本来の「OSをアプリケーションから守る」という使い方からアタマを切り替えないと思いつかないことだと思います。
このような事例はハードウェアに限ったことではなく、ソフトウェアの世界でも同じではないでしょうか。例えば最近ではすっかり当たり前になったAjaxも、「WebアプリケーションのUIはこの程度のものだ」という思い込みをブレイクした好例だと思います。
ただ、注意しなければならないのは、このような「巧みな発想」というのはより大きなイノベーションによって時代のあだ花に帰するリスクと背中合わせだということです。記事ではDOS時代に活躍したソフトウェア達が紹介されていますが、それらは結局生き残れませんでしたし。

日本航空CIO 斉藤俊一氏のインタビュー

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061201/255635/

◆ITベンダーに対して強く要望したいこと、IT業界への不満など
・人材育成に危機感を持っている。企業にとって情報システムは競争力の源泉ともいえる重要な役割を果たすと考えている。だが現実に目を向けてみると、若いの人の間では、システム開発の現場を「3K職場」だとして敬遠されがちだと聞いている。長い目でみれば日本企業の競争力にも響いてしまうのではないかと危惧している。

 大学など教育機関でグローバルで通用するスキルを身に付けられる教育体系の整備やグローバルで統一した能力基準を作り、自らのレベルが分かる仕組みなどが必要だと考えている。採用する側もこの能力基準に応じた給与を支払うなど、頑張れば報われる仕組みづくりが必要だと感じている。

給与はともかく、まずは自分のポジションをきちんと把握できる基準が必要であるという意見には同意です。

ブラウザでターミナルが使えるWebTTY

【レビュー】ブラウザでTerminal? Ajaxでサーバ管理も? - WebTTY (1) WebTTYとは (MYCOMジャーナル)
Webサーバ上でターミナルを動かして、そのI/OをAjax技術でリアルタイムにブラウザへ転送する、という仕組みのようです。
実用性はさておき、発想としては面白いですね。TTYベースのUIをWeb化する手法としては汎用的に使えそうです。